吉増剛造さんについて

吉増剛造さんについての個人的な記録

吉増剛造さんについて㉔

2021年11月20日発行『詩とは何か』のなかで、吉増剛造さんが来年夏ごろに刊行予定のエッセイの話しが出ていた。 また、来年には待ちに待った映画『眩暈vertigo』が公開になるだろうし、2月からはYouTube配信も再開される予定だ。 『詩とは何か』を手に取って…

吉増剛造さんについて㉓

吉増剛造さんの著書『詩とは何か』の中では、ご自身の詩作についても語られていて、その中で衝撃の告白があった。 引用// 最近わたくしは、細かい日常的な記述を、詩作のプロセスとしてきたんだなと思うようになりました。必ずしもテーマがあって、何かを提…

吉増剛造さんについて㉒

この10年、わたし自身の綴る言葉が詩であるのかどうかをずっと問うて来た。即ち、「詩とは何か」である。 この度の吉増剛造さんの著書「詩とは何か」はわたしにとって正に今と言うタイミングだった。 一度ゆっくり通読してみて、わたし個人の感想としては【…

吉増剛造さんについて㉑

吉増剛造さんが『詩とは何か』を出版された。予約してから頁を展くまで、わたしにとって"詩とは何か"と想いを巡らせていた。 その時にふと思い浮かんだのが、鴨川で赤いバケツと赤い紐を使って詩的な風景を作り出していたカニエ・ナハ氏の姿である。「詩より…

吉増剛造さんについて⑳

吉増剛造さんのYouTube配信#Smoky Diaryが、本日終了した。 【葉書ciné】から通算82回約1年半の間、一度も欠かす事なく配信し続けて頂いた事に心より感謝申し上げたい。 そして、又嬉しいお知らせがあった。来年2月頃よりYouTube配信を再開予定との事。嬉し…

吉増剛造さんについて⑲

東京国立近代美術館の展覧会では、膨大な量の声テープが展示されていた。詩、インタビュー、対談、記録、ets……吉増剛造さんが録り続けて来られた物である。 何度かお会いし、身振り手振り佇まいを拝見していて、いつも思うのは「ずっと回っている」と言う印…

吉増剛造さんについて⑱

吉増剛造さん関連の書物で、よく読み返す物の一つに『吉増剛造──黄金の象』がある。 冒頭、吉増剛造さんと大岡信氏の対談がある。その中で、安東次男氏の俳句 そもそものはじめは紺の絣かな について語られているが、この句は非常にわたしの心に攻め入ってく…

吉増剛造さんについて⑰

2020年4月に始まった吉増剛造さんのYouTube配信【葉書ciné】は、第53回(約1年)で終了の予定だった。しかし、嬉しい事に【Smoky Diary】として更に続けて頂ける事になった。 不安だらけの日常で、吉増剛造さんのいらっしゃる場所は確かな詩の印の旗が立ち続け…

吉増剛造さんについて⑯

2020年4月30日に始まった吉増剛造さんのYouTube配信【葉書ciné】を初めて観て聴いた時、新しいエッセイを捲るような感覚だった。 吉増剛造さんの柔らかな声と呼びかけ。 "ごめんなさい"…… "ごめんなさいね"…… まるで初めて訪れる家の木戸を控えめに叩くよう…

吉増剛造さんについて⑮

吉増剛造さんの新しい映画のタイトルが『眩暈 Vertigo』に決定し、クラウドファンディングの参加特典として、吉増剛造さんの詩の朗読に参加させて頂ける事になった。 2020年5月、井上春生監督から録音機材が送られて来た。 頂いた原稿を自分の文字で書き、何…

吉増剛造さんについて⑭

2020年3月20日 当初の予定から2日遅れではじまった【しごとバー】詩人の生き方ナイト 銅板も金槌ももたずにスタンバイしておられる吉増剛造さんを思い浮かべながら、楽しみにお待ちしておりました。 映し出された手元には書物とペン。そして、お元気そうなお…

吉増剛造さんについて⑬

2020年1月から4月にかけて、月に一度のペースでクラウドファンディングに参加した。 吉増剛造さんの新しい映画『残響』(仮題)への参加だ。どうしても完成して欲しいと思い、完成するべき映画だと思った。 井上春生監督からは、参加者に対してこまめに進捗状…

吉増剛造さんについて⑫

「友達のメカスって奴がいてさー 剛造、これくれ って オークションで売るんだ って」 初めて吉増剛造さんのライブに行った時、インクを滴らしかけていた手を止め、嬉しそうに話してくださった。吉増剛造さんのユーモアに、会場は優しい笑いに包まれていた。…

吉増剛造さんについて⑪

2018年12月 吉増剛造さんの映画『幻を見るひと』が国際映画祭で10冠を受賞され、東京で公開されていると言う情報を目にしていた。 それから9ヶ月。 突然の"札幌上映"と言う吉報が舞い込んできた。上映のわずか2週間前! 東京以外では初となる、一夜一回限り…

吉増剛造さんについて⑩

先日、吉増剛造さんの新しい詩集が発売され、近く著書「詩とは何か」が発売される。 毎週木曜日にYouTubeで配信されているDiaryもあと数回でお終いになる。 この1年半、木曜日の朝に配信のお知らせがあるたびに、別世界へ連れられて行くような興奮を味わって…

吉増剛造さんについて⑨

【桜の雨のなかで】 2018年5月13日 桜が散り始めた札幌、肌寒く小雨の降るなか、詩人 吉増剛造氏のトークイベントへと足を運んだ。新刊『火の刺繡』編纂の経緯について、北大名誉教授 工藤正廣氏との対談であった。 昨年9月、バンド空間現代と吉増剛造氏の烈…

吉増剛造さんについて⑧

2017.9.1の吉増剛造さんと空間現代の烈しいライブは、吉増剛造さんご本人が"極限までいきました"と仰っていた通り、5年経った今でもあの空気が浮かび上がる。 踏みしめるたびに声を上げる木の床、仄暗いなかでぶつかり合うガラス瓶の音、そして炎。 吉増剛造…

吉増剛造さんについて⑦

/// ドアを開けると 絹の馬が 静かに燃えていた ヒヅメを 自らの内部に 打ちつけながら 炎は 公衆電話と 小銭と 抱きあう二人を 海へといざなう わたしは メロンゼリーのなかで 自ら解凍する わたしたちは、 そこに居たひとも そこに居るけれど見えないひ…

吉増剛造さんについて⑥

吉増剛造さんとジョナス・メカス氏の映画が完成し、来年2022年に公開になる。そのエンドロールに、わたしの名前が出る。 その報せを受け、映画のラスト情報を見せていただいたのが、4日前。それからずっと軽い震えに包まれている。 この5年間のご縁と、自分…

吉増剛造さんについて⑤

2017年8月、3年に一度開催されている「札幌国際芸術祭」で、吉増剛造さんの展示が行われると言う情報を得てわたしは狂喜していた。 更に、吉増剛造さんと空間現代のライブが開催されると聞き、大急ぎでチケットを入手した。 ついに!ついに!本物の吉増剛造…

吉増剛造さんについて④

わたしが読み漁った吉増剛造さん関連の書物に「我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ!」がある。 最初に手に取ったのは5年前だが、それから幾度となく開いている。 開いた場所どこからでも読めるし、吉増剛造さんの話し言葉そのままで書かれている文面が多く…

吉増剛造さんについて③

今思えば、2016年の「声ノマ 全身詩人、吉増剛造」展へ行く前の下調べで、わたしはすでに吉増剛造さんの言い難い魅力に取り憑かれていた。 以来、来る日も来る日も吉増剛造さん関連の書物を読み漁り、CDから発せられる声に耳を傾け、次の機会を得る為に情報…

吉増剛造さんについて②

イシカリ……ヨシマスゴウゾウ…… イシカリ……ヨシマスゴウゾウ…… 2016年の夏、わたしは石狩図書館で貪るように吉増剛造さんの詩集を読み、CDを聴き漁っていた。 そして、7月17日東京国立近代美術館の「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」に行く事が出来た。 1日違い…

吉増剛造さんについて①

先日NHKで放送された番組で、佐野元春さんと共演されていて、数年前にもNHKの禅特集に出演されていた記憶があるが、わたしの中では遠い遠いそれでいて密着感が常に拭えない不思議な存在の方である。 数年前、東京へ行く際に「詩人に会いたい」と不意に思いつ…