吉増剛造さんについて

吉増剛造さんについての個人的な記録

吉増剛造さんについて⑤

 

 

 

2017年8月、3年に一度開催されている「札幌国際芸術祭」で、吉増剛造さんの展示が行われると言う情報を得てわたしは狂喜していた。

更に、吉増剛造さんと空間現代のライブが開催されると聞き、大急ぎでチケットを入手した。

ついに!ついに!本物の吉増剛造さんにお会い出来るんだ……

約1ヶ月間、さらに吉増剛造さん関連の書物を読み漁り、CDを聴き声を焼き付け準備万端でその日を迎えた。

 

2017年8月15日 北海道大学総合博物館にて、

吉増剛造

火ノ刺繍 - 「石狩シーツ」の先へ

石狩川が海へ繋がるその場所で、或いは埠頭の波がちゃぷちゃぷと打ち寄せる場所で、吉増剛造さんが映し出されるスクリーンの前に座し、わたしの知っているその場所に吉増剛造さんがいらっしゃる不思議を感じていた。

 

吉増剛造さんの打ち付けた銅板やインクの飛び散る沢山の紙、紙、紙……

 

ご本人にお会い出来るまであと少し。

 

 

 

 

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白い彫刻が飛び立つ
刻のひとと岸の間際から

黒い戌を連れて
よい響きを求めて

震えさせた硬い折り紙は
祝津の瑪瑙の祈りです

祈りを折り、
祈りを折る。

唇で反芻して
鼓膜に接吻して

つぎつぎと
余韻を残して

海が河になる頃

ひとは必ず死ぬのだと


恩知えられる
オシエラレル